かけるの千住日記

Archive for June 2012

21 June

未知との遭遇サポーター！？

ホントウは、道を聞かれる、が正しい。
通りすがりの人から「◎○へはどのように行けばいいでしょう？」あるいは
そこが駅なら「この電車○●に停まりますか？」や「○●駅に行くには、どこから乗ればいいんでしょう？」と
聞かれる。どなたもそうした経験はあろうかと思うが、私の場合、たいへんその頻度が高い気がする。
もっといえば、「わざわざ選んでいる」としか思えない。
なぜなら、本を読んでいても、目が合わなくても、聞かれるからだ。

その理由を考えてみる。

ぼおっとしているから、頭のなかが空いていそう。
全身とにかくスキだらけ。
とりあえず、ヒトが良さそう、きっといきなり声をかけてもうるさがらないだろう。
知的でなんでも知っていそう。だから質問には何でも答えてくれそう。

あるいは、私の守護霊なのか、だいぶ昔のご先祖様がニコニコと迷える方々にウエルカムしているのだろうか。

学生時代は、東南アジアとおぼしき若い男性から、道を聞かれるどころか電車の切符を買うよう依頼されたことがある。
また、夜、道を歩いていたら自称・石油産出国からきた留学生から話しかけられた。このときもっとコミュニケーションが深まれば第３夫人ぐらいにはなれたのかもしれない。あいにく、友人宅へ行く予定があったので、道途中でお別れした。

だからなんなのだと聞かれると、ただそれだけなんですけどと答えるしかないのだが。

聞いてくる人たちにとって、道ならぬ、未知の世界を提示してくれる予言者なのだわたしは、と無理矢理前向き（なのかな）に解釈しておこう。

22:39:39 | tenkakeru | |

20 June

まさかイエロー○○じゃあ・・・

「私をタクシーと呼んでください。」（まさかイエロー○○ってわけじゃ・・・）
「私は面白いひとです。」（あなた、お笑いの人？）
「どうぞこちらへ。そこの椅子にすわれ。」（な、なんか悪いことしました！？汗）

…「　　」内は、某英会話スクールの中吊り広告のコピーだと記憶する。

同じスクールの広告に、最近では、徹夜明けで疲れきっているのに、おそらく「ハウアーユー」と相手に挨拶されて「アイムファイン」という答え方しかできないたがめのストレス・・・的な状況が表現されている。

やってしまいがちなニッポンジンの間違いというやつだ。
いやしかし、ホントウにやってしまいそうだから、笑えないのさ、なぜか英米文学科卒の私。

そのあたりの事情は、そっと引き出しにしまっておき、たとえば外国人だって日本語をヘンな感じに使うことがいっぱいあるじゃん、という逆ギレならぬ逆突っ込みを行ないたいと思う。

最近では、原稿の締め切りについての連絡で、担当者の韓国系の方が「２０月６日までにお送りください」とメールしてきた。日付と、その、単位の記載が完全に入れ違っている。英語風の順番に書きたかったのだろう。すぐに分かる単純な誤りだが、思わず「おいおい何暦で言ってるんだい？」とつっこみたくなる。
また、ちょっとした違和感を感じる表現に「ぜひよろしくお願いします」がある。これもぱっと見、おかしくないが、文脈のなかに突如として登場すると、とたんにサイケデリックなヒョウ柄、みたいな気恥ずかし感が生じ、さらに進行すると「あなたに一票投じなきゃいけませんですかい？」と問いたくなる。「◎○に立候補致しました△□です！ぜひあなたの清き一票をお願いいたします」との、うぐいす嬢のおたけびが連想されるせいだろうか。使ったほうは単なる強調、のために付与した語だと思うのだけれど。連呼されるとなあ。

また、これは日本語教育能力検定試験対策講座（＠日暮里の日本語学校）の先生が講義中にお話になった内容だが、遅れた相手から「悪い悪い」と言われて「なんで遅れたお前に、悪い、といわれにゃあかんのだ！」と怒り出す外国人がいたとか。講義中聞く分には、笑っていればいいが、小心者の私が当事者だったら「すわ、国際摩擦か！」と、びびってしまうかもしれない。
すこしずれるが、その先生がおっしゃるには「○○しないの」という表現は、語尾が上がる場合とそうでない場合では、まったく意味が異なるという。「テニスしないの？」と語尾を上げればDo you play tennis?という意味だが、「テニスしないの」と語尾を下げ気味に発話すれば「I do not play tennis」との、否定の意志を表すことになる。

言葉なんて通じなくてもいい、互いへの理解と愛があれば！とか、「語学の出来不出来と、知性は必ずしも連動していない、カタコトの日本語を話す人を子ども扱いするなんてナンセンス」的なモノ言いがあるが、されど言葉なんだよねえ、なんだろうと思う。日本人同士でも、メールやちょっとした会話における言葉のニュアンスで、落ち込んだり怒ったり、舞い上がったりするわけで。

といいつつ、だからなんなのだ、というところだが。

23:27:07 | tenkakeru | |

18 June

ニッポンのUI

最近、「昔はああ、だった」「以前はこうなっていた」と遠い目をすることがある。
うわあ、年をとった証拠だ。

そのなかに、イマフウにいえば「UI」に関することが多く含まれることに気づく。
まずひとつが、折りたたみ傘の開け閉め。昔はいちど開くと畳んでしまうまでに手間取り
「めんどくさー」
の代表格であった。
しかし、いまや、傘を閉じれば、まるで羽を広げていた鳥が木にとまって翼をしまうように傘部分が自動的にまとめやすく折り畳まれる。無造作にまとめても、ちゃんと傘ケースに入れることが出来る。昔は時間をかけてきっちりとまとめなければ、まともに傘ケースに入れることさえ出来なかった。
また、昔とちがったよなあ、と思うのが透明な卵パックだ。少し前までホチキスを用いて透明パックをプチッととめてあったものだ。
それがいまやどうだろう。ケースの開け口に沿って透明なシールが貼付けてあり、そうっと引っ張っていけば、パカっと開く仕組みになっている。人によって、また開け方によって、途中でシールが途切れてしまう人がいるようだが、概ね問題なく開くように思う。
また昨今では、ペットボトルのふたが、本体から離れないようになっているタイプが出たと知った。また店頭で見かけたことがないのだが、ふたを開けて飲んでいるうちに紛失した、落とした・・・等々の「ちょっとしたことなのに、結構致命的ミス」が解消されるものだ。

どれもこれも、ニッポンジンの行動特性を研究しつくし不満を知り尽くしたうえでの改良であるように思う。
使い手からきた苦情を受け止め、それに対し、ご丁寧に謝る、だけでスルーするなんてせず、膨大なデータを精査して次に取り組むべき課題を見つけて解決のための施策を模索していく・・・。
そうした気の遠くなるような、血と汗と涙が、先述のちょっとした使い勝手の「便利」につながっているのだろうと思う。

中国だ、韓国だ、ベトナムだ、、、とアジアの新興国たちの隆盛が伝えられている昨今だが、ニッポンジンはホントウに（は、ではない）すごい！ということをかなりな大声でいいたくなる。
真面目でコツコツと、地道に緻密に取り組む姿は、美しい。

23:27:00 | tenkakeru | |

16 June

鬼気迫る演技「生きる」

遅ればせながら、黒澤明監督の「生きる」を観た。
志村喬、すごい。黒澤監督、やっぱり旬だ（ったのだろうと思う）。鋭利な切り口、まるでジャーナリストのような、リアリズムの追求。
ワタクシ的、幼稚ボキャブラリーで表せば「あるある」感満載だ。

黒澤作品は近年のものは、なんだかゲージツ的すぎて、自己満足にあふれている気がして取っ付きにくかった。はっきりいおう、つまんね。

モノクロで、ときに台詞も聞き取りにくい。しかし十分に映画が描こうとしているものが伝わってくる！。

また観てみよう、古い黒澤作品。

小津作品もいい。ちなみに小津さんの作品はエッチに満ちあふれていると思う。こんなこと思うのは、私ぐらいだろうか。

22:55:56 | tenkakeru | |

容疑者Xの献身

容疑者Xの献身を観た。

東野圭吾原作。１年ほど前に原作のほうを読んでいた。
本作は、ドラマ化され、福山雅治でイメージが定着した感のある天才物理学者湯川学が登場する「ガリレオシリーズ」の第３弾。主人公（犯人に該当）は、私と正反対の理系ばりばり天才的数学者だ。ちなみに同行者は物理の教師であったが、「わかるわかる感」があるのかな？と思ったが、もし違っていたらなんだか気の毒（笑）な気がしないでもないので、触れないでおいた。

東野圭吾作品は、私にとり、書き出しの部分で「とっつきにくい」と感じるものが多い。一見淡々とした語り口、事実のみを積み上げていく式の無味乾燥ぽい書き方がそう感じさせるのかもしれない。本作も最初はなんだかそんな感じであった。さらに冒頭部分を読んでみただけで、乃南アサ系のストーカードロドロものかなあ、などと浅はかにも鼻白んだのだった。

しかし。しかし。
切ない、尊い、美しい。この作品にはそんな形容詞を使いたい。これぞ真の純愛物語と言えるのではないか。深い愛に基づいた主人公の献身的かつ冷静な姿勢は、観ている人の胸をゆさぶる。この純愛は、カンペキだ！と言っても過言ではない。しかも、犯罪クリアの手法が鮮やかで、ミステリー的スリリングな側面も持ち合わせている。

終盤の「人はときに、けながに生きている、ただそれだけで誰かを救うことがある・・・」という主人公の独白にジーンと胸を打たれる。そして図々しくも一瞬「あ、私も誰かを救っているかも？」と錯覚する。いやまてよ、何かが違うと心が軽く警鐘を鳴らす。そう「けなげに」があるとのないのとでは全然違うのだ。言わずもがな、私は「ない」ほうなのだった。大飯大酒ぐらいの「残念な人」なのだった。嗚呼。

キャラメルBOX、次の公演「アルジャーノンに花束を」も観てみたい。原作を、社会人成り立てのころに読んだ。その設定が斬新で、野次馬的興味本位で読み始めたが、切ない、理屈抜きに哀しい、という読後感を持った作品だ。

やっぱり生の芝居はいいなあ！と改めて思う。芝居、という言葉を感慨をもって使う人々がいる。劇団に足を踏み入れ、若いころ演じてたことがある、裏方が多かったが演劇部に関わっていた、という友人がいる。彼らの気持ちに、ちょっとだけ近づいたかもしれない。

22:38:12 | tenkakeru | |

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