かけるの千住日記

Archive for September 2008

15 September

そのときアリーナは熱狂に包まれた

アリーナには熱気がこもっていた。
ジャーァァン。ギターが鳴り響く。女性ボーカルが声張り上げる。
全員総立ち。拳振り上げる。

青春だなあ。

アリーナは、さる都立高校の体育館のことである。当然、エアコンディショナーなどない。外部の光を遮るためにカーテンをぴっちり閉めてあり、外気さえ入ってこない。さながらサウナ。なかには、小学生ぐらいの子どもたちもいる。熱中症で死ぬなよ、コドモたち！って感じだ。なにがアリーナだって感じだ。

んなことかんけーねーよ！俺たちいま、この瞬間のために生きてるんだ！
…そんな声が聞こえてきそうだ。

この日のために、どれだけ練習してきたんだろう。

総立ち、なのは一部の三年生だけ。それもなんか、ダサダサな感じの。
だけど、彼らはいま、青春のひとこまを満喫している。舞台のうえのプレイヤーたちも、観客も、いまがサイコーっす！という気持ちを全身で表している。
ボーカルの子、歌へたくそだった。曲もぜんぜんキオクに残らない。だけど、きっとあのバンドが作詞作曲したのだろう。ちなみに、ボーカル女子は元生徒会長だそうだ。
元生徒会長、最後は、感極まり涙でろくに歌えていなかった。

だけど、いいじゃん。学校生活を満喫したんだよ。いま、この十代の大切な時期を、もがきながら日々、何かに熱中してきたんだよね。きっと。

なんだか、泣けてきてしまった。いいなあ、セイシュンだ。
息子が、この高校の生徒でいて、よかったと思った。
…そして、この高校で、学校生活を満喫して、いい顔して友達と笑って欲しいなあと思った。

母は、毎日どきどきしているよ。毎日さ。一瞬一瞬さ。
お弁当を作ってラジオ体操に行って（苦笑）、帰ってきてもまだ起きていないと少しドキドキして、声をかけて。目を開けた君をみて少しほっとして。
部屋の物音に聞き耳を立てて、引き出しを開けて着替えを取り出している様子が分かると、ほっとして。ダイニングキッチンのテーブルについて、ぶすっとした顔でご飯を食べていると、またほっとして。

そして、なんにも言わずに玄関を出る君に「気を付けてね、行ってらっしゃい」と声をかけるんだ。つとめて冷静に、なにげなく。
ベランダから、いつも見送っているんだ。ネクタイを締めながら落ち着いた足取りで駅に向かう君をみると、「今日も、がんばれよ、うれしいよ」と心のなかで思う。

朝っぱらからうざ。自分でも思うかけるである。

16:19:00 | tenkakeru | |

13 September

Festival@SENJU

千住のまちは、まつりだ。
今日は朝から、御神酒所では豚汁かなんかを仕込んでいた。
早くも座り込んで一杯やってるおっちゃんもいた。ハッピ姿だ。
まちのそこここに、いなせ（のつもり）にハッピを着たおっちゃんやらじいちゃんやらが
ウロウロしている。
ピシっと決めているつもりのようだ。「決まっている」かどうかは、第三者の判断にゆだねよう。

夏休み、朝のラジオ体操会場でよく見かけた小学生の男の子も、ハッピにドレスアップ。なんだか表情も引き締まっている感じだ。

マンションの長老にお会いしたら、それっぽいいでたちをしていた。
心なしか、ウキウキしているみたい。
私はもう、今年はなんにもいしないんだ、なんて、ほどよく長老っぽいコメント。

昼間、子どもの山車が、町内を練り歩いた。大人が音頭をとり、子どもたちがゾロゾロと山車を引く。いちばん楽しそうなのは、雑貨屋のお兄ちゃん♪だったみたい。へへ、ねーさぁん♪

この街は、おとなが、子どもをいつもどこかで見守っている気がする。
子どもが喜ぶ顔を見るのが大好きな大人が多い気がする。
子どもたちは、にわかにはそれに気づかないかもしれないけれど、きっと成長したいつかの日、そういう大人達の視線が自分を育ててくれたんだなあなんてぼんやり思うのだろう。

お祭り好きの大人がいる街って、いいな。なんて思った本日。

16:20:00 | tenkakeru | |

02 September

煮込みとホッピーが最高ッす！

先日、年上の知り合いに久しぶりに会った。彼女の名前はみそのちゃん。
会うことになった前日、突然電話があった。「黒いジーンズもらったのだけど、きつくて入らないから貴女にあげようと思って。ほら、黒だと上は何を着てもあうでしょう。仕事にも着ていけるし」という。そこで日曜日の午後TEAタイムに会うことになったのだ。

当初、秋葉原で待ち合わせをしたのだが、少し時間を遅らせてもらうことになった。すると彼女は「猫を預けている友達のうちが三ノ輪にあって、そこを訪ねるから会う場所は三ノ輪にしましょう」という。結局、私たちは日比谷線三ノ輪駅をおり地上を上がったところにある交差点の角にあるドトールで会った。

すこうしふっくらしたかなあ、という感じのみそのちゃん。さっそく、２本の「黒いジーンズ」を取り出し「どうお？サイズは？トイレで履いてみる？」なんて、ニコニコしながら聞いてくる。ウエストサイズは61センチと58センチ。そのとき私が履いていたペンシルタイプ（っていまは言わないの？）のジーンズは、64センチだった。これは、少しゆるめだったのでベルトで調節していた。たぶん、はいるだろうなー。でも58センチのほうはインナーを身につける場合、薄めのがいいかもしれない・・・なんて考えた。「トイレで試着」の案は、やんわりと却下した。ただ、足の短い私には股下が長めであったので、こちらのほうは調整が必要。丈詰めをしなければならなさそうだ。

みそのちゃんには、30歳少し過ぎの息子さんがいる。彼は、某所でもつ焼きの店を営業している。その店は、客は多くても10人ちょっと入ればいっぱいになってしまうような小さなつくりだそうだ。しかし、評判がすこぶるよいという。たしかに、ネットでその店を検索してみると「地元ブログ」をはじめとするいくつもの個人のサイトで写真入で紹介されている。もつ煮が絶品、だそうだ。そして店長（みそのちゃんの長男）の対応が「非常にgood」「気持ちがいい」というコメントを多く見かけた。女性ひとりでも入れるアットホームな雰囲気だという。「初めて来た人も含め、帰るまでには、店の客同士が知り合いになっている」ような店なのだそうだ。

かの店が、なんとある雑誌の最新号で紹介されたという。その雑誌をみそのちゃんは見せてくれた。そして「あげるから！」。みそのちゃんてば。いちばん大きな目的は、こっちっすか（笑）。

雑誌は、JR時刻表でおなじみの出版社から出ているものだ。この雑誌は、その号ごとに特定の地域を特集して紹介する、というタイプのタウン情報誌。最新号は、みそのちゃんの息子氏の店がある地域をメインに特集しているわけではないが、ウマいホッピーを出す店が、この地域にはいっぱいあるぞ！という趣旨の小特集で紹介されているのだった。

煮込みのほか、豚のガツ刺身や豚レバーの刺身など「素材が新鮮じゃなきゃ絶対食べられません！」という、メニューもあるそうだ。シメには、デザートとして手作りアイスが出てくるという。一度、食べに、飲みに、行きたいなー。

みそのちゃんにはもう一人息子さんがいて、彼のほうは何店舗も支店を持つ大きな焼き鳥店の一支店で、店長をしている。次男君は２０代半ば。年上の部下が多いものの、日々店長としての差配をふるっているそうだ。こちらの彼と、彼が店長を務める店も、先日テレビで紹介された。「みえはる君」がレポーターを務めたそうだ。放映前にみそのちゃんから連絡をもらっていたのだが、残念ながら、ぼんやりオンナの私は見逃してしまった。みそのちゃんは「ビデオに撮ったよ」と言ってくれたが、我が家にはビデオデッキはもはやないのだ。うーん。ちっ。ちなみにこちらの店は都内だが、焼き鳥屋といってもちょっと敷居が高い感じの店らしい。いまのアタクシには、自腹じゃあ、いけませんな。はい。

因みに、次男君のほうは、先般会社の寮に入り、家賃がだいぶ安く済むようになったので、浮いた分をみそのちゃんに仕送りしてくれているそうだ。見上げた息子君である。そしてもちろん、独身。お会いしたことはあるが、おだやかな感じのイケメン君だ。あと15歳若かったら携帯のアド聞くのになあ（笑）。

みそのちゃん。いい子育てしたんだなあ。

どしたら、そんなに立派な息子たちに育つのだい。

そしてみそのちゃんも、いい母だなあ。かの雑誌はなんと５０冊購入し、知り合いに配っているという。テレビ放映前も、知り合いに電話をかけまくったそうだ。

いい親子だなあ。

帰宅後、さっそくみそのちゃんからもらったパンツをはいてみた。58センチのほうは長さがちょうどよかったが61センチのほうはふた折ぐらいしないとNG。国道４号線に面した「お直し屋さん」へ赴く。630円ほどかかった。

夜は、部屋を暗くして静かに寝よう、自分で生活を整えていこう。挨拶しよう、聞かれたことには答えよう。

いまの私の、子育て、である。

・・・嗚呼。

ちなみに、みそのちゃんが猫を預けている友人は、現在旅行中だそうだ。彼女はシンプルに「猫と一緒の時間をすごす」ために、友人宅を訪ねるのだという。「お泊りするの♪」と、彼女は恋人のもとを訪ねる乙女のように言っていた。

いいぞ。

16:21:00 | tenkakeru | |

01 September

ユーリンジ、そしてローメンも。

よく行く定食屋の「今日の日替わり」メニューとして
「ユーリンジ」とあった。

一瞬、ソ連方面出身のボクサーの名前かと思った。
ユーリなんとかさんって確かいましたよね。

はあ？　と思い、一緒に行った友人と「どんなだろうね！」
と話していたら、隣に座って食事をしていたサラリーマンの連れが
「これですよ、鳥を揚げたものに云々」と軽く説明してくれた。
しかし、注文をとりにきたおばちゃんにわれわれはすかさず、「魚定食＝かんぱちと大根の煮物」を注文。
注文を伝えたおばちゃんに向かい、説明してくれたサラリーマン氏は
「ごめんねえ、ユーリンジの魅力が十分伝わらなかったみたい～」
と言い訳していた。
ほんと、彼の誠意を無視したわれわれはなんという無礼者であろう（苦笑）。
とはいえ、われわれは、反省する風はみじんもみせず、だは、と少し笑い、その後はなにごともなかったように、出されたお魚定食を、ぺちゃくちゃしゃべくりながら食したのであった。

しかし、「ユーリンジ」という耳慣れない言葉は気になった。
私たちより、後からやってきたサラリーマンの二人連れのうち一人は
日替わりユーリンジという文言をみて、「ああ、あのユーリンジのことかな？」
なんて知った風なことをのたまっている。ますます気になった。
よほど、「それって、どこのお料理なんですかっ」と聞いてみたくなったが内気な私にはできなかった。「どこ」出身の料理かを聞きたかったのは、日本のどこかのかなり、ミニマムな範囲（○○県○○郡特有）における郷土料理なのかもしれない、とおバカなことを思いついたからだ。

話はずれるが、「ロー麺」というのはご存知だろうか。
蒸し麺に、甘辛く味付けしたひき肉をかけていただく
皿ラーメンのようなもの。（だと記憶している）
長野の伊那谷あたりの「郷土料理」なのだ。伊那出身の友達がいたく熱く語ってくれたことがある。「わが故郷では、フツーにスーパーにロー麺セットとして売られている郷土に根付いた日常的なメニューなのだ」と。
そのルーツは、いろいろに語られているらしい。こんどじっくり調べてみます。ネットでいい加減に（^^;）

同僚と、食事を済ませ、会計へと進んだわたしは、しかし、どうしても気になり会計担当のおばちゃんに「ユーリンジってどこのお料理なんですか」と勇気を振り絞って質問したのだった。
答えは
「中華です」。
ほほう。そうでしたか。初耳だが。
ネットで、いい加減に調べてみたところ、油淋鶏(ユーリンジ)と書くらしい。
油で揚げた鶏肉に、ごま油、酢、醤油、みじん切りのショウガとニンニク、刻みネギなどをあわせた
タレをかけて頂くというもののようだ。

ほほう。

ちなみに、ネットで検索してみたところ、東京の中華料理店でかのメニューを提供している店は少ないようだった。
東京では一軒、雲南省の料理をウリにしているらしい中華料理店でユーリンジをメニューにあげている。
もしや雲南料理なのだろうか。

それにしても、私がユーリンジに遭遇した定食屋(夜は居酒屋）は、焼酎の品そろえが豊富でポスターなどを見るに「佐賀」「九州」がキーワードらしい。
前身は肉屋だったみたいだし。

ふむー。人生いろいろだけど、店もいろんな歩みを経て今に至っているのだなあ。

ぼけーっとそんなことを考えた私だ。

***********************
ちなみに、こんなページを発見した！！
http://www.inacci.or.jp/contents/meibutu/rohmen/club/rculb.html

16:24:00 | tenkakeru | |

日	月	火	水	木	金	土
	1	2	3	4	5	6
7	8	9	10	11	12	13
14	15	16	17	18	19	20
21	22	23	24	25	26	27
28	29	30